半身症候鍼灸研究会代表 茂木 昭
今、日本鍼灸は何を問われているのか? 近年の養成学校の激増に伴う過剰な鍼灸師を抱え鍼灸界は何を目指しているのだろうか?
鍼灸大学の増加と大学院の設立に見るように、長年月全体がEBMへの道を突き進んできた。その行く先は病院医療方式の鍼灸であり、整形外科的あるいは内科的等いわゆる西洋医学的医学理論を離れることができない。また効果面でもその目標とするところには、必然的に病院医療的西洋医学の範疇にとどまるということを国民の期待に応えようとする鍼灸師は、正視しなくてはならないと考える。
病院医療の効果には限界がある。多くの障害、病者が不治のまま溢れているのである。まさに我々鍼灸師に課せられた国民の願望はそこにある。しかし、効果に格差がないまま、経済的に受療回数に耐えられる患者にしか通院も覚束ない。治すことより低価格を提供する保険適用に努力するなども本末転倒である。
ある指導者は、鍼灸は滅びると言う。滅びる鍼灸をなぜ指導するのか理解できない。わたしも同様に鍼灸は滅びると言ってきた。しかし「このままでは鍼灸は滅びる」である。現に兆候は徐々に表れている。大量の鍼灸師が毎年誕生しているが、はなから開業する気のないものばかりである。勤務しても安易なマッサージにしか関心がないのである。だから既存の鍼灸を離れた新鍼灸を指導しているのである。
ある指導者は言う。アトピー皮膚炎の臨床公開で、3か月続ければみな治りますという。しかし、一回のその場では少しも変わらない。
鍼灸師は常に国民側からの視点を忘れず、日々、より高度の鍼灸のための発見と研鑽、そして挑戦を目指す鍼灸師を我々はいざない輩出し、明日の、いや今日の国民に笑顔が満ちる社会に貢献するため研鑽、指導に当たっている。
半身症候鍼灸研究会