宮城県 O・S先生

先日は臨床を見学させて頂き、誠にありがとうございました。

緊張し治療室に伺った私を茂木先生はじめスタッフの皆様が柔らかく迎えて下さいました。これが気が整った状態かと、その自然な柔らかさ清々しさに驚きました。私もこうなりたいと思いました。治療室も明るく静かな気配が満ちており、自然と心が落ち着いて参ります。

治療に関しましては、見学前に動画を拝見しましたが、先生が何を行っているのか分かりませんでした。ですから分かろうとか、自分も診断しようなどという邪心は持たず、先生の治療を邪魔しないようにしようと思いました。患者さんの変化を見ることに専念いたしました。

患者さんは小学生くらいの子供から高齢の方まで次々に来院されました。様子を見ておりますと鍼を入れる前からすでに変化は始まっております。治療前は浮腫んでいた顔もすっきりとされ、笑顔が零れます。入室した時はけだるそうだった身体が軽く、どんよりとした目は明るく輝きます。症状も多岐にわたります。食中毒によるもの、病によるもの、手術によるもの。そのひとつひとつを先生はスタッフと阿吽の呼吸で素早く診断し治療されます。その正確さ一切の無駄の無さにただ驚くばかりでした。陰陽五行論といった東洋医学を元に診断治療を行う場合、問診してから理論と照らし合わせ治療穴を決めます。しかし先生は診断が治療へ直結しております。寄り道なく真っ直ぐに、患者さんを診ているのだと思いました。

そして感動したことは、ご家族で来られている方が多く、長年地域で愛されているのだとわかる事でした。

なぜ見学させていただこうと思ったのか。それは、治るとはどういうことなのかずっと分からず知りたかったからです。治るとはどういう事でしょうか。どのような状態でしょうか。鍼灸師になり様々な患者さんに接して以来、悩み続けてきました。自分が鍼や手技を行っても良くなっている実感がなく、現状維持すらできない事への苦しさは募る一方でした。しかし先生の著書拝読し希望が湧きました。著書には長年悩んできた事への答えが全て書いてありました。

学校を卒業し資格を得ても、臨床を学ぶことができず、鍼灸の道をあきらめてしまう人が多いです。そんな中、見学を受け入れ治療を見せて下さり、セミナーで学ぶ機会を与えて下さる事に、感謝の気持ちでいっぱいです。

見学を受け入れて下さった茂木先生、スタッフの皆様、患者さんに心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。