千葉県 N・K先生
2月6日に見学に伺いました。先日は貴重な体験をさせて頂き、誠にありがとうございました。15時半~17時までのおよそ90分の間に、何人もの患者さんを診断、治療してゆく先生の姿はまるで奇跡そのもので、今思い返しても体に奮えが走ります。
僕は今年に鍼灸学校を卒業するのですが、授業を受け、また業界の実体を知るうちに、鍼灸業界そのものに不安と疑念を抱くようになりました。それはいわゆる「鍼灸でメシを食う」ことの難しさを感じたからでもありますが、治療のあり方に疑問を持ったからでもあります。
古典の理論は五行・陰陽論に基づき、美しく体系づけられています。僕自身も難経に基づく治療を学ぶ機会を得られたので、古典理論の有用性については理解したつもりでした。ですが茂木先生の著書の中に「正しい臨床理論とは生体現象を観察し、そこから見出した理論を生体現象に活用して、より高次の理論を見出すものでなくてはならない」という文を見つけた時には、雷に打たれたような衝撃を受けました。実感も検証も伴わない理論を鵜呑みにして治療を行っていたことに気がついて、とても恥ずかしいと思いました。また、同時に、自分が抱えていた鍼灸治療への疑問の原因もハッキリとわかりました。真に貴重なことを教えて頂いたと思います。心より感謝致します。
先生の治療を拝見した現在では、退屈な暗記科目に過ぎなかった解剖・生理・病理学の類の教科が光を放っているように感じています。治療に際しても新たな視点を持って取り組むことが出来そうです。
いずれは患者側の立場から、あるいはセミナー等で生徒側の立場として茂木先生のもとに伺いたいと考えております。その時はどうぞ、よろしくお願い致します。
平成28年2月