新鍼灸法講座|半身症候鍼灸研究会は技術向上を望む鍼灸師、医師、鍼灸学生の為に新鍼灸セミナー、講習を随時開催しています。

新鍼灸法講座

新鍼灸法講座「半身症候鍼灸法」

  • 右半身症候

  • 左半身症候

  • 中心症候

  • 右半身中心症候

  • 左半身中心症候

  • W半身症候

第1章 未来の鍼灸に向けて、既成の鍼灸効果の見直し。治らない鍼灸をいつまで続けるのか?
現代日本鍼灸の最大の欠陥は明白で、治らない鍼灸にある。
鍼灸師は治る鍼灸を見たことがない。治る鍼灸は、治る鍼灸臨床を見聞する。

治らない鍼灸という指摘に鍼灸界、鍼灸臨床家は一人でも反論できるだろうか?そして国内鍼灸師20万人弱は結果の出ない鍼灸を生涯続けるのだろうか?
この原稿における治らない鍼灸の意味は、治療法である以上、民間療法レベル効果では治っていないととらえている。一本の鍼、一壮の灸を人体のあらゆる部位にしても効果が出るのである。それを民間治療レベルとしている。
鍼灸師、鍼灸界に問う?

まず、国内でこれまで行われている鍼灸は果たして、治る鍼灸なのか否か?もし治る鍼灸というのなら、多くの矛盾点が存在している。古典鍼灸、中医学鍼灸、科学派鍼灸がそれぞれ理論を異にし、各派が持論を正当と言い他派理論をいずれも否定していながら、以前は経絡論争が一時あったが、同じ人体を対象とするのに古典鍼灸、中医学鍼灸、科学派鍼灸が現在は争点をうやむやにして鍼灸学会の研修大会で協力し合っている。これは理論が異なりながらも、患者から見た効果は大同小異であることを意味して、各理論派自身が他理論派理論を論破できる理論でないということの証明でもある。
そして大勢の病者、疾患者が鍼灸院に行かず、治らない病院にあえて行き続けるという現実と、鍼灸師資格だけでは開業が困難であるということからも言えることは、現代鍼灸が民間療法レベルの効果しかないことが鍼灸師すべての周知の事実であるということである。
これから未来に向かい鍼灸は如何にあるべきか? これもすべての鍼灸師の目標は明白で治す鍼灸、治る鍼灸に違いない。ではすべての鍼灸師は果たして治す鍼灸を目指しているのだろうか?となると全く疑問である。思いだけで全鍼灸師が行動は全く治すことを目指しているとは思えないのである。
そこで鍼灸師、誰もが思うことだが実践できない、治る鍼灸と治る鍼灸臨床とは如何にあるべきかについて述べてみたい。

高度に有効な鍼灸を目指す条件は何か?もう古典鍼灸理論の素問霊枢のくびきから脱することで、自分自身の思考で行う治療である。

陰陽五行説、経絡理論、気血津液論の枠を人体に当てはめた古典理論をそのまま臨床に転写しても有効な治療ができないことは、これまでの鍼灸臨床の実態が証明している。今後の鍼灸の在り方は、個々の鍼灸臨床家自身の思考で人体をとらえる鍼灸である。他人、古代人の言いなりに行う治療をしないことである。

新鍼灸法(半身症候鍼灸法)は個々の鍼灸臨床家が自分自身の発想で人体をとらえ、治療することができることを目標とする治療理論である。

この稿はその新鍼灸法の一面からのガイド書である。幾冊の書、DVD、ガイドの書で解説している新鍼灸法の世界は広く深い、筆者が海外からも来院する大勢の患者への臨床の間、短い時間の中から各書、ガイド書、原稿を書いている。
この原稿は読まれる読者が、新鍼灸法に強い関心が持つ鍼灸師はそのくらいの人数か?今までの経験から5人くらいいればよい方で、他の20万人弱の鍼灸師のほとんどが関心を持たないであろうと思っている。この新鍼灸法の人体観の広大さは一般鍼灸師には想像できないはずだからである。それほど現在の鍼灸師に期待はしていない。ただ社会全体に存在している多くの病者、障害を有する患者のために、鍼灸師に一縷の望みをかけて研究会活動をしている。

国内に古代中国の神医・扁鵲クラスの鍼灸臨床家を50人輩出するのが筆者の目的である。

平成の扁鵲とは体内透視診断を可能にして、その診断に基づく治療をする鍼灸臨床家のことである。現在、単に基礎的透視診断ができる治療家はすでに20人ほど養成できている。
もし今日の古典鍼灸、中医学鍼灸、科学派鍼灸に理論上のボタンのかけ違いがあったとしたら、効果があるというのも錯覚で、その理論に固執している間、鍼灸師は錯覚でない治る鍼灸を永遠に知ることができない。鍼灸師が知っている人体、治療効果はすべて既存の各鍼灸理論観により見ているに過ぎないのである。その鍼灸理論のベールを外しても本当に治っているのだろうか?鍼灸界の現実を直視すれば治っていないことはすでに明白である。
鍼灸臨床家は既成の各鍼灸法の理論が異なりながらも、同程度の効果しか上げていないことに注目する必要がある。これは中医学鍼灸でも同じで、科学派理論と古典鍼灸理論が折衷になり、中医学理論は臨床と必ずしも一致しないことも自ら肯定している。科学派以上の効果を上げられないなら、古典鍼灸理論の根拠がなくなり虚構とされてもしかたがない。また中国中医学鍼灸については、鍼灸と言えば中医学鍼灸のみを指し、現代西洋医学的鍼灸、つまり科学派鍼灸は国家制度上存在さえできないようである。
多くの病者、疾患者が存在する現代社会にありながら、古典派、中医学派、科学派を標榜する今日の膨大な数の鍼灸師の多くは、臨床の場にさえ就けず、開業できないという現実を見れば既存の鍼灸が治っていない鍼灸であることは歴然としている。

全身300以上ある経穴論、有効穴論も高度鍼灸理論では否定される。

高度鍼灸理論上の有効な刺鍼点は経穴とは関係がない。鍼灸師は一定の経穴でなければ効果がないという低レベル理論に基づき、その先入観の基に治療するがその結果は効果を上げることに苦労している。かつて「医道の日本」誌上で「治す悩み」の特集記事に人気があった。これは既成の鍼灸界における最大の問題である。

なぜ、鍼灸師は治せないのか?臨床を見たことがない。

根本の原因は、鍼灸師が見聞してきた鍼灸効果は共通したもので、指導者さえも高度に有効な鍼灸臨床を一度も見にしたことがないということである。指導者が高度効果の鍼灸を見たことがあれば、それを指導者は目指し、学習者もそれを知ることができる。こうしてその業界は発展して行くのだが、現在の鍼灸界はそのようなシステムにはない。指導者自体が、一般レベルの臨床技術しか有していない。それが今日の掛け声のみで発展、進歩しない業界になっている。業界は指導者層が進歩することがないと、保守的になり進歩する芽を潰して発展させない。
鍼灸界には実際の患者に対する臨床を見聞する機会が皆無に等しい。各鍼灸研究会では小出しに見せ、学会での学術発表は全く臨床を見せない。実際の治療公開という証拠を見せない研究発表である。

鍼灸師は治す信念がない。

もう一つの問題には、鍼灸師全体に病者を治すという意欲が無いから、目標とすべき高度の鍼治療を知らず、長年にわたる臨床経験にも向上することがないのである。筆者自身30数年の臨床歴の間、見学した同級生の臨床は一例を除きすべてカーテンで隠されていた。
もし、鍼灸師が治すという強い信念があれば、既成の理論を異にする各鍼灸派が学会で協力し、親睦を深めるということはなく、競い合わなければならないはずである。鍼灸の対象とする医療範囲で同じ人体に対する治療であるから各鍼灸法の長所、短所など本来なく、優れている鍼灸法は全疾患にわたり優れているのである。
治す強い信念があれば、多くの治療理論の矛盾を徹底して追求し、そして正しく人体を知れば自ずと治る治療理論を発見するし、多種の鍼灸法の効果の差を曖昧にしたまま同じ鍼灸法を継続することはない。自分自身の人体観からの判断での治療となり、他者理論、素問霊枢に盲従することはない。
術者に邪気が存在しない限り、人体はいかなる体表に刺鍼しても回復し、効果を示す。ここに術者の邪気の問題を出すが、治療のすべてにおいて治療理論の前に、さらに決定的な問題、邪気がある。術者の邪気論いかんが治療の正非を分けている。いかに優れた治療理論によっても、術者が邪気体質であれば効果はおろか確実に患者が悪化する。この邪気の例は鍼灸界では枚挙に暇がなく、日常にからんでいる問題である。
足の三里が胃のツボだ、三陰交が婦人科のツボだという。胃の組織部位の診断もない、子宮、卵巣、卵管の診断法がなければ、刺鍼時の変化も知りえない鍼灸理論でなぜ有効なのか?精度がきわめて高ければ、三里で胃腸疾患、坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニアから、肩こり、眼科疾患、聴覚障害、頭痛あらゆるものに効果が上がる。正しい三里の刺鍼でなければならない。三陰交で婦人科のみならず、精神障害、頭痛、眼科疾患、副鼻腔炎、呼吸器疾患まで改善する。他の全身体表刺鍼点も同様の効果がなければならない。

新鍼灸法(半身症候鍼灸法)は、素問霊枢以前に行われていたであろう鍼灸法である。

古典鍼灸理論が入らない鍼灸の原点の鍼灸法である。あるいは素問霊枢以降でも、古典鍼灸理論を受入れない多くの名人がいたはずである。古典理論は術者自身の治療観、推理を封じ、教条的理論を押し付けた。12経脈は中国中原の大河川12を当て、治水を生体に当てはめたと素問にもある。元来、体表に刺鍼をすれば治療効果があるという事実を、古典鍼灸理論化したのであるから、この理論上の効果以上のものは期待できない。

古典鍼灸理論の厚いベールをすべて除去して、生体の実体を改めて観察する生体解剖観が必要である。

それを新鍼灸法では透視診断というところの望診である。そこから鍼灸家自身の感覚、思考で新しい生体論、治療理論の発見の繰り返しとなる。
昭和20年代後半、医道の日本誌で経絡論争が起きた。しかし、科学派は古典派を追求できず、古典派はじゅうぶんな反論もできず、うやむやになった。結論が出なかったのは土俵が誌面であったことにある。治療の優劣を問うのに実際の治療を見せない論争などがあるだろうか?両者に自信がないから、口だけの言い合いである。新鍼灸法は常時、臨床をすべて公開することが基本である。理論を臨床に当てはめるのではなく、臨床自体が理論である。セミナーでは多くの古典理論の矛盾、エビデンス鍼灸の矛盾、現代西洋医学理論の矛盾点を検証している。

鍼灸界の重大な問題に、臨床現場の秘匿性がある。見させず、見せない鍼灸界である。

養成学校時代から資格取得後も高度臨床現場を見聞する機会がなく、鍼灸師も自ら見聞して検証しようとしない。与えられる知識、能力以上のものを自ら求める意欲を持たない。
もし治す鍼灸師としての信念を持つのなら、治らない鍼灸を捨て、最も治る鍼灸を見つけ見聞することが、鍼灸学習の第一歩であることを知らなければならないだろう。理論学習は二の次、三の次である。正しい目標の見切りが名人鍼灸師到達の正しいレールである。

なぜ古典鍼灸、中医学鍼灸は治らなくなったか?奇恒の腑の除外にあり。

既成の鍼灸法が治っていないことの理由は、古典鍼灸理論にある。人体機能上最も重要な脳・髄・骨・脈を、女子胞と共に奇恒の腑として腎精により作られるとぼかし、排除したことにある。残りの鍼灸理論は人体の抜け殻であるから、あらゆる理論を構築することができる。

第2章 鍼灸修得論
(鍼灸効果が進化するものでなくてはならない)治る鍼灸法を知る!

果たして今日実行されている鍼灸は治る鍼灸か否か?既存の鍼灸法が治るものならば、この新鍼灸法は全く無用の長物であり、公開する意味がなかった。既存の鍼灸法が治らないから、多くの病者、障害者の苦難を共感し、創案したのがこの新鍼灸法である。

まず本流医学である現代西洋医学が治る医学かどうかから知らねばならない。

もし、現代西洋医学が完璧なら、他の医療、医療類似行為とされるものはすべて必要ないのである。現代西洋医学にはすべての分野が用意されているが、現代の各種治療法は現代西洋医学(病院医療)が多くの疾患に無効なことから存在している。喘息、胃病が呼吸器科、消化器科で治らない。吸入薬、咳止め薬が発作止めと、同時に呼吸量を著しく低下させて体質上の問題が解決しない。喘息も、肩凝りも、胃弱も、鼻炎も鍼灸で一時的に症状をぼかすだけで体質まで治せない。症状を鈍麻するための標治法、散鍼、数10分の置鍼が欠かせないのである。

な既成の鍼灸の診断は、各理論概念からの正常・異常の診断であり、身体組織自体の正常・異常の診断法がない。

実際には治っているかどうか分からない。そこから治療とは症状を消す、つまり、知覚神経を鈍麻させることが治療だと決め付ける。もし、治せるという自信ある鍼灸界指導者がいれば披露するべきであるが、これら身近な疾患を治し、完治させる臨床を公開する鍼灸界指導者がいない。
学会研修、各研究会等鍼灸界には、どこにも鍼灸臨床の公開の場がない。古典派、中医学鍼灸派指導者に経絡循環障害箇所を示してほしいと質問する勇気のある学習者さえも見当たらない。
臨床を秘匿した古典派、科学派、中医学派の鍼灸学会の停滞は近年、美容鍼灸までが加わるほど極まった。美容効果とは何かも知らない美容鍼灸と、効果の有無も判断できない鍼灸学会になったのである。
細鍼と言えども顔面への数々の刺鍼が生体全体、顔面皮膚の機能障害が起きていることも熟練の鍼灸師ですら全く分っていない。本当の美容効果を見たことがない鍼灸師による刺鍼で、筋肉が弛緩し潤いが消失する、のっぺりした状態を美容効果と勘違いする。本当の美容効果とは脳循環の向上、脳神経機能の向上であるから、顔のみならず足底の皮膚まで潤い、視力、聴力も同時に向上することを知らない。

古来、数々の鍼灸理論書が刊行されてきた。しかし、いずれも鍼灸理論の一方的解説書であり、経絡循環、気血、津液の状態、蔵象学説等、多くの理論を説明するだけで、古典理論を理解するために必要な身体感覚、感性、緻密な手指操作の指導書が存在しない。脈診では多くの異常脈を列記するのだが、言葉による説明で、正常の平脈は同様なものか、正常脈を提示する指導者がいるのだろうか?
高度な感覚、感性の修練法を説かないことは、古典理論の著述者には一般古代医師に理解させる気が全くなかったのだろう。修練法がないのは今日の鍼灸指導者でも変わらない。当会代表・茂木でも、体内透視、人体の微細な診断まで、学習者にその修得法、身体の訓練を秘匿することなく日々指導している。こうして透視診断修得者が徐々に現れている

理論を説き、修得法がない古典理

古代中国のすべての名医伝を読んでも苦労の末、師匠に弟子入りを許され、師匠の晩年にやっと他言をしてはならないとの誓約の基に奥義を伝授されている。経絡、気の流れの知覚法を説かず、一方的に経絡論を押し付ける。長年の熟練度が要求されるという脈診も、感覚の習得法がない。まさに学習者が修得できないことを意図したかのような鍼灸書の列挙であり、この秘密主義は中国の伝統的文化である。
脈で経絡の異常を知ると言うが、経絡は人体を流れるのではないのか?古典理論は脈を診ても心臓の診断ができない。脈を診て脳梗塞を診断できない。この古典理論で本当に人体を治せるのだろうか?修練法など不要なほど鍼灸理論は万人が容易に修得できる安直なものであったのか?
古代から祖伝の秘法を直弟子以外に伝えない中国の文化を、なぜ現代鍼灸師は理解できないのだろうか。経絡流注を知覚できない術者による経絡治療が存在できるという古典派鍼灸師、そして中医学派鍼灸師。

ここに、解説する新鍼灸法講座は、臨床優先の鍼灸指導である。理論は臨床のなかに存在するものでなくてはならない。日本に経絡治療が確立されてから、70年以上経過しても鍼灸効果が向上した形跡は見られず、鍼灸の真価は次第に廃れて行く。鍼灸治療はなんのためか?大勢の病苦に苛まされる国民の存在から次第に遠ざかる現実。これを鍼灸師はよしとするのだろうか?
半身症候鍼灸研究会での指導法は、高度臨床を修得するためのセミナーである。この新鍼灸法が高度鍼灸か?低俗な鍼灸なのか?関心があれば動画で臨床公開しているので、自分の目と感性で検証することがまず第一に必要なことである。
セミナーでの指導は臨床指導が中心であり、数々の難病、疾患を新発見した理論により改善する状況を指導する。更に臨床現場での理解のために代表・茂木の治療室での臨床を公開見聞させている。このセミナーと臨床公開の2本立ての鍼灸セミナーであることを知っていただきたい。一子相伝ではない、直弟子相伝でもない。すべての鍼灸師に数々の秘法を伝授している。
しかし、国内、20万人弱の鍼灸師で、高度鍼灸を修得しようとする志しを有する者は皆無に近い。それでも、茂木 昭は多くの国内、病者、障害者の苦難を救いたい一念から難病者を救う鍼灸師セミナーを主宰している。この鍼灸法を鍼灸師に指導するより、治療に対する志しある医師が体得し、広く伝承にしていただきたいのが本音である。それは鍼灸師全般の治療に対する意識の低さに永年、辟易してきたからである。

第3章 鍼灸法は理論か?臨床か?

新鍼灸法は机上での理論を競うものではない。治療現場での臨床のための鍼灸法であるから、臨床現場での治療効果を競うものでなければならない。戦闘のない兵法論は存在しないように、鍼灸理論は臨床現場でいかに高度の成果を上げるべきか証明するものである。臨床現場の種々疾患に対する新視点から、既成の理論を超えた新発見、新理論が連続して生まれ、さらにその臨床から次々に多くの人体論が発見される。こうして発見した多くの未知の情報の集積による人体論、疾患論は、既成の大部分が原因不明の現代西洋医学や、各鍼灸での未知の生体理論である。新発見から得られた多くの生体知識は、既成の医学知識での多くの誤りを知り、その活用による治療から多種にわたる疾患の治療が容易になっている。現代西洋医学の診断理論の誤りは広範囲にわたっている。多くの誤った診断理論が気づかずに医師は活用しているのだから治るはずがない。今日、理論的に決して治るはずのない医療が定着し、常識になっている。

第4章 治る鍼灸法の手順
  1. 鍼灸を知る(臨床の見聞)
  2. 学習する鍼灸法が治る鍼灸法か、治らない鍼灸法かを知るために、広く種々鍼灸法を見聞すること。そして自ら最高レベルの治療家を追い求めること。行動せず居ながら治る鍼灸法を待っているだけの鍼灸界のなかから、気づく者がいるかどうかである。多くの鍼灸法を見聞し、治る鍼灸法、治らない鍼灸法を峻別する能力を養わなければならない。例えば古来から鍼灸論戦がある、鍼優先論、灸優先論、併用論と多くの名医が競っている。
    湯液では仕方がないが、鍼灸では同じ人体を対象とする以上、灸を必要とする鍼は正しくない、鍼を必要とする灸は正しくないとの治療観を新鍼灸法では持っている。ある部位は灸、ある部位は吸角、ある部位は梅花鍼というものではない。人体組織は全機的に連繋されているから、優れた鍼灸法は人体を対象とする以上、部分的にそれぞれ有効な治療法などはない。全組織が同時に機能回復し、すべてに最高の効果があるはずである。素問で、黄帝は未熟な者はあれこれ経穴を追い求めると言い、全体を見ない者をたしなめている。

  3. 治らない鍼灸を知る(既成の鍼灸が治っていないことに早く気づく)
  4. 古典鍼灸理論を記述した古代医師の生存していないから、その古典鍼灸理論を再現することは不可能である。人体中の経絡流注を検証できない治療家が経絡学説に基づく古典的鍼灸治療をする意味は何か?
    現代西洋医学は、多くの疾患について原因不明であり、鎮痛剤や、症状を抑制する薬剤による対症治療である。人体上に起きる多くの疾患が幼児期よりの怪我、病歴が関与しているのに病院医療は現在の疾患にだけ関心を向け、体質の歴史に関心を持たず、真の病態を知ろうとしない。そのような治らない医療に肩を並べているのが古典理論派、科学派鍼灸である。

  5. 治らない鍼灸を捨てる!
  6. 現在採用している鍼灸法、あるいは学習中の鍼灸法が、治るものかどうかを検証し、治らない鍼灸と知ったら捨てる。古典を捨てる。これまでの鍼灸観を捨てることで、初めて治る正しい人体、鍼灸が見えてくる。

  7. 治る鍼灸は未知の鍼灸である。(治る鍼灸は治らない鍼灸とは異質である)
  8. 治る鍼灸法とは、今までの鍼灸法とは異なる未知の鍼灸世界である。新しい鍼灸法に対して当然不安があろうが、同時に新鮮な発展する治療観を所有している魅力的治療法である。従来知っていた鍼灸とは大きく異なるが故にその大きな効果を期待できる。これが治る鍼灸であると実感の下に行うのが本来の臨床である。実感、確信の元に行う臨床でなければ不安から邪気となり、患者は治らない。既成鍼灸が治らないことの多くはこの術者の不安からの邪気にあって、術者自身の体を害することにもなる。身体組織の正しい診断と正常・異常の診断法もないことから鍼灸師は臨床において不安を常時抱く傾向がある。

  9. 治る鍼灸の確信を持った鍼灸法を学習する
  10. 確信を持って治る鍼灸を見出すために、厳しく欠点を探求することが必要である。自分が採用した治療法を、今度は批判精神を持ち続けて常時検証する。その確信度を向上させて行き更に究極の鍼灸を目指す。その生体機能の新発見の連続性ある治療法が進化する鍼灸法である。新鍼灸法を究めた鍼灸臨床家には、更に新しい理論の指導は、各レベルに達した学習者でしかその上の理論、人体観を指導することが不可能である。
    唯一完璧な鍼灸を発見して、その修得法を知って、受け入れ態勢ができたら、新鍼灸法が修得できる。そして新鍼灸法の全貌を紹介しよう!

第5章 半身症候鍼灸法理論
1.高度鍼灸理論の原則
  1. 部分ではなく全身全機能に対する刺鍼点であること
  2. 人体機能は、全機的に機能している。鍼灸は経穴治療(ツボ治療)であってはならない。消化器に効く経穴、頭痛に効く経穴、婦人科に効く経穴…は即刻排除する。人体は全身、全組織が連絡しているのであるから、三里に刺鍼をするなら、その一穴で婦人科、呼吸器、脳組織、視覚、聴覚、平衡感覚、顔面の血行、全身筋力の向上、あらゆる組織が最高レベルで改善するものでなくては正しい治療ではない。1~2点の刺鍼が、全身組織を同時に改善するものでなくてはならない。全体が同時に改善する刺鍼点、刺鍼でなければ、部分も効果が出ていないのである。

  3. 刺鍼点は刺鍼後の効果を予測できること
  4. 国内鍼灸、中医学鍼灸のすべてにおいて、診断に基づいた刺鍼であっても、必ずより有効を求め、あるいは無効から、選穴の見直しをする。新鍼灸法では刺鍼後の効果を診断時点で予測できるから、刺鍼後、選穴の変更はない。予測通り効果を上げることを知るのが診断である。選穴のやり直しとは、その診断は何だったのか?診断段階で効果を知り、刺鍼後確実な効果を確認するのが正しい鍼灸である。

  5. 全身組織と異常個所を診断できること
  6. 既存の鍼灸は、解剖学的身体部分の診断ができない。術者自身が自己の腹部痛に対して、その炎症部位が分かるだろうか?上腹部なら、胃か、膵臓か、胆嚢か、脾臓か。胃であるなら、噴門か、底部か、体部か、幽門か、正中線から右半分の炎症か、左半分の炎症か、解剖学的にも深部感覚が存在する。自身が鍼灸師なら自分の腹部炎症部位を正確に理解できなければならない。もし自身の炎症部位を正確に診断できなければ患者を治すことはできない。
    古典理論では、六臓六腑の虚実を知る、全身の経絡循環を知ると言う。しかし、解剖学的内臓、噴門、胃底部、幽門、十二指腸を知らない。眼球の水晶体、硝子体、網膜、黄斑。子宮底部、頚部、内膜、卵巣、卵管を知らない。脳腫瘍部、梗塞部、ウイルス感染部。左右心房、心室、僧帽弁、肺動脈を診断できない。全身の骨格系、動・静脈系の診断ができない。これらからも古典鍼灸理論は治すことを真剣に考えた理論とは言えない。新鍼灸法なら、子宮筋腫のソルトボール大のものが、仙骨椎間板変位の一瞬の操作で、半分以下に縮小することもある。脳腫瘍も診断時点で縮小している。
    古典理論は奇恒の腑として脳、髄、骨、脈、女子胞の重要組織をすべて排除したことから治る治療理論ではなくなった。腎精により作られると煙幕を張った。
    ちなみに骨関節障害や運動器障害、内臓器疾患までが、骨格系の一部を正しい方向性診断の基に軽く触れただけで一瞬にして改善するのである。難病と宣告された種々疾患が、骨、脳の一部の操作で一瞬時には完治することが少なくない。これらの言葉を信用できないのが鍼灸界である。それは鍼灸界には正しい臨床を見聞したことがないからで、UFOを見たこともない者に見たことを話しても信用ができないだろう。だから臨床を常時公開しているのである。後は鍼灸師が見学し、検証する気があるかどうかだけである。鍼灸界は、見識のない鍼灸師に見学させないだろうが、当研究会、茂木は長年、万人に公開し、逆に見学を勧めている。しかし鍼灸界の異常さはひどい。白衣を持参しないものが1/3いるのである。患者の前で、私服で見学すると言う。冗談のようなことが現実に起きる。

  7. 毎回の治療毎に患者の体質が向上すること
  8. 正しい組織の診断、正常・異常を診断、鑑別ができれば、部位的異常の改善、回復で終わるのではなく、全体治療であるからこそ、体質が向上する。老人の円背が確実に伸びてくる。最高レベルの治療を受けていない以上、治癒力の限界には程遠いのであるから、猫背が改善しない。猫背が伸びてこなければ、肩も上がらない、上肢・下肢の障害も改善しない。老人性の多くの疾患が改善されない。脊椎、脊髄が伸びないと、脳、脳神経系、目、耳、鼻炎も治らない。喘息も、乳がんも、子宮がんも治らない。
    正しい診断ができると、すべての全身組織が関連していることを知り、最大に影響する組織を知ることができる。毎回若返り、健康度のレベルが上がる。美容鍼灸ではなく、確実に顔貌から、全身筋肉、骨格が生き生きとした力強さが生まれる。毎年、年齢とは別の若返り、健康度が向上する。

2.半身症候側診断

新鍼灸法は新しい「気」理論による、鍼灸法である。人体中を流動する「気」とは、動脈、静脈、リンパ循環、脳脊髄液循環を中心とした人体上下を流動する動きである。この中には未知の生理物質の流動現象がある。人体を縦断する3領域の流れがあり、常に、生体は恒常性維持機構(ホメオスターシス)により、外部環境、内部環境の調整のための疲労と回復を繰り返している。病的現象も生体機能の恒常のための現象である。この縦断する人体3分割の領域の気の流動は、常時バランスのため一側か、あるいは二側の歪みを生じている。その病位側の診断をして、対応する部位に全身の改善反応を確認して刺鍼するのである。

  1. 気の流動異常側
  2. 右半身症候、左半身症候、中心症候、右半身・中心症候、左半身・中心症候、W半身症候の6種の病位のいずれかが存在する。

    病位側とは
    ●中心症候
    脊髄白質の炎症、第3脳室の炎症
    ●右半身症候
    右側脊髄灰白質の炎症、右側脳室の炎症
    ●左半身症候
    左側脊髄灰白質の炎症、左側脳室の炎症
    ●W半身症候
    右半身症候と左半身症候の炎症部位の組み合わせ
    ●右半身中心症候
    右半身と中心症候の炎症部位の組み合わせ
    ●左半身中心症候
    左半身と中心症候の炎症部位の組み合わせ
  3. 各半身症候病位の領域
  4. 1.中心症候
    身体の正中線から左右に各2~3センチ内の領域の気の流動障害
    2.右半身症候
    身体の正中線より2~3センチから右半身全体の領域の気の流動障害
    3.左半身症候
    身体の正中線より2~3センチから左半身全体の領域の気の流動障害
    4.W半身症候
    身体の正中線から左右に2~3センチを除いた左右の領域の気の流動障害
    5.右半身中心症候
    右半身症候と中心症候の複合
    6.左半身中心症候
    左半身と中心症候の複合

    ※半身症候病位側の図は文の初めにあり

  5. 刺鍼点
  6. ●中心症候
    身体の正中線から左右に各2~3センチ内の領域の気の流動障害
    ●右半身症候
    右天柱周辺の反応点
    ●左半身症候
    左天柱周辺の反応点

    刺鍼は0番鍼程度を斜刺の切皮
    一般的置鍼はない、伏臥でのテスト法が終われば抜鍼。置鍼時間10秒前後

  7. 半身症候診断法、病位側診断
  8. 1.座位から患者の側方に立ち両上肢を患者の前後から、患者の正中線を手掌で前後に数センチ空けてはさみ、頭部、胸部、腹部と擦過させる。

    2.手をはずし、術者の手でTRテストを行う。

    3.このときTRテストの異常が出れば、中心症候となる。

    4.その形を繰り返す。右半身領域、左半身領域と続け単独か、複合か診断する。
    各その都度TRテストを行いう。

    以上が半身症候鍼灸法の骨子であるから、この手順をまず理解する。

第6章 治療法全体の手順
  1. 望診
  2. 半身症候鍼灸法では、望診を最も重視する。その望診とは、古典の望診とは異なる。診療室に入室した瞬間から始まる。ベッド上、あるいは診察椅子での対面での望診より、入室した瞬間の身体からの情報が正確に人体を診断できる。全身の血液循環、内臓機能、筋骨格系、脳循環、すべて望診により診断できることを目指す学習をする。

  3. 問診
  4. 望診で確認した全身機能状態をさらに確認するのが問診である。後は患者の自覚症状、病院での病名を参考にする。患者から一方的に聞き出すのが問診ではない。病院では治らなかったのであるから、病院の説明を長く聞くことは避け、自分自身の正確な診断をする。
    多くの疾患が同一患者のものであるから、過去の事故、病歴を詳細に調べる。多く過去のそれらの出来事が原因になっていることを知ることである。

  5. 全身の基本診断点の検査
  6. ①TRテストで正常・異常を検出する
    ②上肢、下肢の筋力テスト、可動性テスト、触診(特に婦人科疾患は欠かせない。衣服の上から子宮、卵巣、卵管を触診、慣れないときは患者が緊張するから、患者人身の手で触診せせる。肝臓、腎臓の触診も重要)

  7. 障害部位、症状部位の触診とTRテストによる診断
  8. ①筋肉、骨関節疾患:一個ずつの骨格、関節の損傷と可動性をチェック。
    ②内臓:組織の炎症部位を確実にTRテスト、触診で知る。後には脊髄、脊椎との関連を予測する。各内臓が椎間板変位と密接であり、ほとんどの内臓疾患が椎間板調整で容易に治せるのである。

  9. 半身症候診断を行う
  10. TRテストで。

  11. 伏臥で半身症候病位側の刺鍼をする(ここが正味の治療である)
  12. (ここから、診断ポイントのチェックをする)

  13. 座位に戻り、元の姿勢でのチェックをする
  14. ①基本診断点
    ②半身症候診断のチェック
    ③障害部位、症状別診断点のチェック各
    ④全身の筋力テスト(強くならなければ、治療は正しくない)

  15. 望診のチェック
  16. 問診のチェック

以上が全体の治療手順の基本である。 新鍼灸法を知ることで、なぜ、現代西洋医学が治らないのか、既成鍼灸法が治らないのか理解できるはずである。人体は表面から見ても何もわからない。体内を見なければならない。各画像診断は体内の一部である。鍼灸古典は、胃の痛むところ、頭痛の痛むところ、歯の炎症部位もわからないである。 セミナーでは古典理論にこだわるレベルの感性の麻痺している人には、指導が難しい。

第7章 種々半身症候鍼灸法理論

これら諸理論の詳細は一部、「奇跡の新鍼灸法と律動法」(知道出版)に詳述している。元々律動法において発見した理論であるから律動法を参照にしていただきたい。

  1. 脊椎側弯理論
  2. 胸椎・腰椎のS字側弯、頚椎側弯、後頭骨側弯、仙骨側弯、さらには矢状縫合側弯、前頭骨側弯などとの関連がある。

  3. 脊椎交互椎理論
  4. 脊椎は交互に隣接する脊椎が左右に回旋する。C1が右回旋なら、C2は右回旋、L4が右回旋なら、L5は左回旋である。AKのロケット・ブラザーズとは異なる。

  5. 椎間板変位論(C1.・C2以外の脊椎に椎間板がある。計27個)
  6. ①胸腰椎間の椎間板変位と内臓の関係
    胸腰椎間の椎間板変位と婦人科以外の内臓に重要な関連がある。
    ②仙椎間椎間板変位と婦人科、男性科と重要な関連がある。

  7. 四肢骨、脊椎の微細骨折が全身機能に関連する
  8. 骨格系は通常X線像で判読不能な微細骨折が多くの障害、疾患の重要な診断ポイントとなっている。当研究会では、X線像での微細骨折判読法を整形外科医師にも指導している。

  9. 脊椎圧迫骨折診断法
  10. 体質的問題の多く、重症な運動器疾患、重症な内臓疾患診断ポイントである。

  11. 大脳診断法、小脳診断法、頭蓋骨診断法、脳硬膜診断法、小脳テントの収縮、拡張診断法、脳脊髄循環診断法、大脳基底核診断法、辺縁系診断法
  12. 重要な障害個所であるから、これらはいずれも透視診断等熟練新鍼灸法学習者への指導している。

  13. 精神的ストレス診断法
  14. 精神疾患、神経症、多くのストレス障害に広く活用できる。TRテストでストレスの種類を同定し、更にそのストレス源を脳内に求め、脳内組織にストレス病原を追求する。
    精神疾患、心理疾患の診断と同定脳組織の改善から、新鍼灸法の得意とする分野である。

  15. 感染症・悪性腫瘍診断法
  16. 基本理論にあるが、治療上重要な診断法であり、難治疾患、慢性体質疾患において不可欠な診断法である。

  17. 微細骨折・骨密度弱化論
  18. 種々疾患、筋・関節障害の重要な原因であるばかりでなく、壮年後の老化現象の象徴は微細骨折の延長である骨密度弱化そのものである。老化疾患治療のキーである。

その他の理論は適宜に解説する。

以下の説明は、「奇跡の新鍼灸法と手技治療」「気の治療学・律動法」を参照してください。研究会で取り扱っている。アマゾンでも入手できます。基礎シリーズ受講後は毎月の月例セミナーで指導している。
①TRテストの詳細
②筋力テスト、可動性テスト
③各疾患部位、症状の診断法
④望診の仕方
⑤内臓透視診断
⑥頭蓋骨、骨盤、脊椎、仙骨、脳、脊髄硬膜、脳硬膜
⑦全内臓に直接関与す各椎骨27個の椎間板変位
⑧高度診断レベルの微細骨折診断、X線微細骨折診断法
⑨各感染細菌、ウイルス、悪性腫瘍診断法
⑩その他列挙不可能な多くの重要診断法